住宅ローン減税の改正と2025年までの期間延長の詳細

公開日:2021/12/26(日) 更新日:2024/04/27(土) 家づくりのこと

  そもそも、「住宅ローン減税」とは


住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の一定割合を、その年の所得税の額から差引く減税措置です。また、所得税から控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

 

  2022年度税制改正後の新築「住宅ローン減税」


2022年度税制改正で、新築の住宅ローン減税の控除率は1%→0.7%、控除期間は10年→13年控除対象となる借入残高の限度額は下記のようになることが決まりました。

住宅ローン控除2022

 

  税優遇の対象となる環境性能のある住宅


①長期優良住宅

長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備に講じられた優良な住宅で、建築および維持保全の計画を作成し、市町村に認定された住宅です。住宅ローン減税以外にも、税の特例や、地震保険料の割引が受けられるなどのメリットがあります。

「長期優良住宅」認定基準(※一戸建て住宅の場合)


(1)劣化対策…劣化対策等級(構造躯体等)3、かつ構造の種類(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)に応じた基準
(2)耐震性…耐震等級2以上
(3)維持管理・更新の容易性…維持管理対策等級(専用配管)3
(4)省エネルギー性…断熱等性能等級4
(5)居住環境…良好な景観の形成・その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。※申請先の所管行政庁に確認が必要
(6)住戸面積…75㎡以上※少なくとも1つの階の床面積が40㎡以上
(7)維持保全計画…定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。(構造耐力上主要な部分、水の浸入を防止する部分、給水・排水の設備)

 

G様外観

 

②ZEH水準省エネ住宅

ZEH(ゼッチ)(=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。

具体的なメリット


(1)高い断熱性能や高効率設備により、月々の光熱費を安く抑えることができます。太陽光発電等について売電を行った場合は収入を得ることもできます。
(2)高断熱の家は、室温を一定に保ちやすいので、「夏は涼しく冬は暖かい」年中快適な家に。各部屋の室温差も小さいため、ヒートショックのリスクも低くなると言われています。
(3)台風や地震等、災害の発生に伴う停電時においても、太陽光発電や蓄電池を活用すれば電気が使うことができ、非常時でも安心。

(参照:経済産業省HP)

ダイニング写真 

 

③省エネ基準適合住宅

省エネ基準」とは、建築物省エネ法において国が定めた性能の目安です。建築物におけるエネルギー消費性能向上を図ることを目的として制定され、評価には下記の2つの基準を用います。
(1)「外皮基準」…屋根・外壁・窓などの断熱の性能に関する基準
(2)「一次エネルギー消費基準」…空調・給湯・照明・換気など、住宅で使うエネルギー消費量に関する基準

施工写真ナチュラル

 

❇︎各住宅の仕様は令和3年末のものです。今後の国会で法案が成立した際には、求められる各住宅の仕様条件が追加・変更されることもあります。

 

  では、税制改正によって控除額は大幅に減少するの?


今回の改正により、控除率は0.7%(13年間)となり、1年間でみると控除額が大幅に減少する高収入の方もみえます。しかし、住宅ローン控除は税額控除ですので、払った税金以上に控除されることはなく、一般的な年収の方にとってはトータルの控除額が大幅に減少することはありません。逆に条件によっては改正後の方が控除額が大きくなる場合もあります。
また、入居する年でも控除額に差がつくため、新築住宅購入を検討されている方は、環境性能・入居時期も含めて検討されることをおすすめします。
控除率は改正されましたが、これまでと同じくお得な制度です。お一人お一人、受けられる控除金額は異なりますので、「どれくらいの控除を受けられるか知りたい」「2022年のうちに入居したい」等、お気軽にご相談ください。

 関連記事はこちら>>>

マイホーム計画中 住宅ローンが気になりだしたら

 

おすすめ記事を読む

 

2ページ (全6ページ中)